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キッチンの見るべきポイント
キッチンは毎日使うものです。
ですので、設備がしっかりしていることも大切ですが、必要なものが使いやすいように設置されているかを確認することです。
流し台やコンロ、冷蔵庫の位置がその主婦にとって使い勝手の良い位置に配置されているか。
キッチンで実際に動いた時の状況を想像してみると良いでしょう。
広くて清潔感のあるキッチンは、主婦にとってあこがれのものですが、使い勝手の悪いものだと意味がなくなります。
長く使うものなので、使いやすく便利なものを考え検討していくことです。
システムキッチンの高さにも注目してください。通常は80㎝から85㎝程度が理想です。
また、収納スペースも使いやすく、手の届くところにあるかの確認も必要です。
理想の家づくりについては「理想の住宅を手に入れるために」にも詳しく解説しています。
さまざまなキッチンのタイプ
キッチンもその住宅の人の好みや使いやすさにより、かなり違った形式になりますが。
まず、考え方としてキッチンが見えてもいいのかそれとも来客者などに見せたくないといった問題があります。
見せたくない方もいると思いますが、そういった方たちには独立型のキッチンがおすすめです。子供やペットが入りにくいという点もあります。
ただし、家族や来客者との会話に入りにくいという点が逆の意味でデメリットになってしまいます。
最近の傾向として、このタイプの独立型は少数型がは少数派となっています。他にはある程度キッチンの中が見えてしまうけども、丸見えになることはない、家族や来客者と話しながら料理ができるタイプとしてカウンタータイプといったものがあります。
ファミリー層向けのマンションには、このカウンタータイプが多く、8割以上がこのタイプで賃貸向けに増えてきているようです。
目的に合ったキッチンのタイプを設置しましょう
キッチンの形式には、独立型、カウンタータイプといったものが代表的なものとしてありますが、他にもあります。
それは、U字型、アイランド型と呼ばれるものです。U字型の場合、コミュニケーションがたくさんとれるといったメリットはありますが、作業スペースがせまく人が立ちにくいといった注意が必要。
また、アイランド型と呼ばれるものは、壁際にキッチンを設置したタイプの事で、これは比較的スペースにゆとりがありキッチンが丸見えになり生活感が出てくるという点はありますが、食を生活の中心に考える人なら、そういったキッチンスタイルでも良いのではないでしょうか。
このタイプのキッチンであれば来客者と雑談ができたりコミュニケーションをとりやすく、生活も楽しくなるでしょう。
キッチンのオーダーメイド
システムキッチンにはオーダーできるものがあります。
オーダーキッチンと呼ばれるものです。
限られた空間を効率的に良く使って収納スペースを作ったり、長さを調節したり、通常のシステムキッチンとは違ったオーダーが可能なキッチンです。
価格は多少かかりますが、リビングやダイニングと一体化した空間を追求するなら、やはりオーダーが良いでしょう。
素材やサイズも選べて、その住宅に向いた内装ができるようになります。また、値段に関してもシステムキッチンより安く済むようなこともあります。
オーダーキッチンには専門会社が手掛けるものと、大工施行の2種類があります。比較的値段が安く済むのは、大工施行です。
ただ、ある程度形が決まっており、細部にこだわった注文にこたえてくれるのが難しい部分もあります。
専門会社の場合は、値段が多少高くつく代わりに細かく注文にこたえてくれるというメリットがあります。
使いやすいキッチンとはどんなものでしょうか
使いやすいキッチンとはどんなものでしょうか。
食事をつくることは、生活の一部でありそれは作業場としての効率性が必要になってきます。そこで、自分が動いた際に導線を考えてみましょう。冷蔵庫、作業カウンター、コンロの並び方一番使いやすい順だと思います。
しかし、これは一般的な話であって、やはり自分たちにとって特に主婦が使いやすい配置が一番です。現在使っているキッチンの高さがどれくらいか、もしくはどこに何があると便利かなど色々とあると思います。
いずれにしても、使いにくいキッチンは、意外と広すぎるのは駄目だという事です。大勢で作業するのは良いのですが、ひとりのときは、帰って広すぎて面倒くさくなります。
手を伸ばせばある程度作業ができる程度の大きさがベストです。
それをワークトライアングルといいます。
ワークトライアングルとは
いくらでも広いキッチンが良いと思っている方は大変多いようです。
確かに各部屋は広い方にこしたことはないです。ただ、広さというよりも使いやすさをポイントにするとより使いやすい住宅を建てられるようです。
キッチンの適正な広さを知る方法として、ワークトライアングルという法則があるのをご存じでしょうか。
これは、冷蔵庫、シンク、コンロの3つをつないでみて、3辺の総和が3.6m~6mの範囲以内であれば、使いやすい位置関係にあり、それ以上だと使いづらく、それ以下だと収納、作業スペースが足りないというものです。
それぞれをつないだ形状としては、U字型、2列型、L字型の順に導線が短く使いやすい方式となっています。
こういった移動距離を考慮してキッチンを設計してみましょう。
住宅の導線全般については「【住宅導線】わかりやすい住居内の導線の造り方がポイント」にも詳しく解説しているのであわせて読んでみてください。
実際にキッチンを使う事を想定してみましょう
できれば、モデルルームなどにまな板があると良いでしょう。
置かれていたとしても、パンを切る程度の小さなものが多いようです。
できれば、いつも普段自分が使っている大きさを想像してキッチンの幅や広さが自分にとって適正かなど確認できると良いでしょう。家族人数分の皿が置けるか、など確認するべきポイントはあります。
それと、忘れてはいけないこととして、キッチンにはゴミ箱を置くためのスペースも考えることも必要です。どこに置くか、邪魔にならないスペースに置けるかが大切です。ゴミ箱に関しては、初めてモデルルームを見に行くと結構忘れてしまう事です。
自治体によっては、ごみの分別に関してうるさい所もありますので、きちんと仕分けて処理する必要があります。なので、ゴミ箱を2つ3つと分別しておけるスペースを確認しましょう。
キッチンの収納
キッチンは、住宅のさまざまな場所の中でいちばん収納の工夫が必要な場所です。それだけになるべく多くの収納スペースを確保するべきです。
ただし、うまく収納スペースを設けないと快適な空間でなくなり、帰って使いづらくなることもあります。
ですが、収納力をとるか空間としての広がりを取るかのどちらかを選ばないといけないです。
では、どうしたらよいのでしょうか。
収納に工夫を凝らすのです。
吊り戸棚を設ける、パントリーといった食品庫を作るのも良いです。また、下がり壁を上手く活用することもできます。
対面キッチンの上部に下がり壁を設け、その部分に吊り戸棚をつけることにより、収納力は必ずUPします。
ただし、解放感が薄くなるというデメリットも出てきます。解放感かそれとも収納力かどちらかを考えて設計しましょう。
収納スペースについては「【収納スペース】住宅設計には最低8~9%は収納スペースを」を参考にしてみてください。
冷蔵庫、シンク、コンロ
冷蔵庫、シンク、コンロに関しては、位置関係も使いやすさのポイントです。
上記にも記していますがワークトライアングルです。
作業の手順をまず考えてみてください。冷蔵庫から食品を取り出したり、それを洗ったり、刻んだりしてから火にかけるわけですが、そういったことを考慮して無駄のない動きができるようなキッチンを目指しましょう。
こうした無駄のないキッチンを設置するには、間取り図を確認して、現地で体を動かして実際に見てみることです。冷蔵庫から物を取り出してみたり、シンクに移動して、洗ったり、切ったり、煮たり、盛りつけたりする。配膳と自分の手順に従って動いてみましょう。色々と具体的な確認するポイントが分かってくるようになります。
こういった地道な確認を一つずつ行っていき、自分たちにと手使いやすいキッチンを目指すことです。
いざ、キッチン設計
キッチンは家事導線の中心でもあり、調理しながら他の家事もこなすことも考えないといけません。たとえば、調理をしながらアイロンをかけたり、鍋に火をつけながら洗濯機を回したりなど、いろいろとあります。
また小さい子供に目をかけないといけないということもあります。実際のキッチンを使っている様子を想像しながら、キッチン周りの設計をしましょう。そうすると、意外といろいろな欠点が見えてきます。
そこで、設計士と話し合い自分たちの意見をぶつけて、率直に意見を述べてもらうようにしましょう。また、他の部屋とのつながりも考えましょう。
キッチンから他の部屋に移る際の導線を想定してください。
そうすると、ある程度キッチンの形も決まってくると思います。
キッチンの設計には、効率性や見た目だけではなく、愛着を持てるキッチンにすることが大切です。キッチンは主に主婦が作業を行う場所です。
ですので、可能な限りわがままを取り入れて、たとえばキッチンの前に大きな窓が欲しいとかキッチンで食事ができるようなスペースが欲しいなど、色々とあると思います。料理をしながら楽しい音楽を聴きたい。
そんな要望を取り入れることで、この世の中にひとつしかないキッチンが出来上がると思います。多少の見た目はあるにせよ、やはり作業のしやすさ、人の動きやすいものを目指すべきなのではないでしょうか。
人それぞれですが、自分たちにとって本当に意味のある重要なものにしていってください。主に使うのはその家族の主婦です。その主婦の意見を上手く取り入れて設計しましょう。
キッチンスペースを確認する方法
毎日利用する設備なので、主婦の方にとって大変重要なポイントだと思います。
流しやコンロ、冷蔵庫の収納部分など、実際に自分が動いて生活している姿を想像してみることです。
そうすることにより、実際の導線をイメージできるようになると思います。
あまり、キッチンスペースが広すぎても、逆に使い勝手が悪くなります。システムキッチンの高さや調理台と食器棚の幅などはある程度の大きさが大切です。
それぞれ、自分にあった高さを事前に想定しておくことをお勧めします。
収納スペースは、きちんと手が届くところにあるか、きちんと確認することです。
住宅全体のスペースを考えるなら「【住宅スペース】住宅スペースの有効設計」を参照してみてください。
設計時のキッチン部分の素材
キッチン部分では、コンロだけではなく壁も汚れが気になる部分です。
汚れが付きにくいのはホーローといった表面がつるつるした素材で、中にはマグネットが使える壁などもあります。
壁にマグネットを利用して、レシピなどのメニューを張り付けながら、料理を楽しめて料理好きには好評のようです。
キッチンのシンク、洗面台の掃除の手間を省いてくれるのがホース式で延ばせる水栓です。
シンク内を掃除した後、ホースを伸ばせば隅の汚れ、洗剤の泡もすぐにふき取れるべんりなものです。
ただし、こういった素材は確かに汚れが付きにくく、きちんと加工してあるが、掃除を全くしないで良いというわけではなく、やはりある程度の掃除はしなければなりません。
住宅の素材については「【素材】住宅購入時に考える素材」に詳しく解説しているのであわせて読んでみてください。
設計時のシステムキッチン
システムキッチンは、さまざまな設備で構成されていますが、その中でもシステムキッチンが重要な部分です。
ほとんどがシステムキッチンを利用していると思いますが、各メーカーが色々と開発競争していく中で便利なものが生まれてきているようです。
予算も踏まえて自分たちに合ったものを選択していってください。システムキッチンがどこまで必要なのか、意外といらないような部分もあります。そういった部分を踏まえて取捨選択をきちんと行うようにしてください。そうすれば、ベストなシステムキッチンができるでしょう。
予算に関して「【予算】住宅づくりは予算との戦いです。」に詳しく掲載しています。
住宅営業マンはいろいろと勧めてきますが、本当に必要なものは何かきちんと一つ一つ検討してください。
営業なので本当は自分たちにとって不必要な物も進めてくる可能性もあります。
例えば共働き夫婦のキッチンとはどのようなものでしょうか
共働き夫婦二人にとって、キッチン周りの工夫もあると作業時間が少なくて済み、効率的になります。
たとえば、キッチンの隣に洗濯室と食品庫を設けることです。
洗ったものは隣のテラスで干すので、家事導線が短くて済むようになります。
また洗濯室にランドリーパイプを設置し、雨の日に洗濯室で干せるようにしましょう。
食品庫などもあると、あまり使わない食器や食品を保管しておけるので、いざ使う時には横から取り出すだけで済むので大変便利になります。その分、キッチンの荷物は少なくてすみ、空間がすっきりするでしょう。
共働きでなくても、住宅での時間を効率的に使うための手段を色々と考えるべきです。その分、他の時間に回せるようになります。
まとめ
キッチンは上記のように広さ、導線のほかさまざまな設備や家具との兼ね合いが必要になってきます。
設計で注文住宅を考えている方はこだわりがきくポイントになるので妥協せずこだわったキッチンを考えていくことをおすすめします!
注文住宅については「【注文住宅】住宅設計の流れとポイント」に詳しく掲載しています。